活字書体設計3

[活字書体はばたく]活字書体が実際にどのように使われていくかを見守っていきます。

さおとめ金陵M_①

『池永康晟画集 君想ふ百夜の幸福』(池永康晟著、芸術新聞社、2014年)

ある書店をぶらついていたとき、1冊の画集が目に飛び込んできた。『池永康晟画集 君想ふ百夜の幸福』(池永康晟著、芸術新聞社、2014年)である。素敵な絵だ。手にとってパラパラとページをめくると、そこにあらわれた文字列にハッとした。むかし化粧品の広告にあったフレーズを思い出した。

「ん…色っぽい」

画集なので本文というわけではないが、ほぼ全体にわたって「さおとめ金陵M」で組まれている。

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和字書体「さおとめ」は明治時代の小学校教科書に使われていた活字書体から復刻した書体である。漢字書体は中国明代の木版印刷による歴史書から再生した書体なのだ。もともと本文として存在していたのだが、どちらも「色っぽい」ということからはかけ離れている。

それなのに、なんということだろう。色っぽいのだ。その文章とタイポグラフィによって、「さおとめ金陵M」の魅力が引き出されている。逆に「さおとめ金陵M」が、そのタイポグラフィとともに文章を引き立てているのだとすれば、まさに適材適所だと思う。

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