活字書体設計3

[活字書体はばたく]活字書体が実際にどのように使われていくかを見守っていきます。

くらもち銘石B_①

『落語こてんコテン』(柳家喬太郎著、筑摩書房、2013年)

私は落語にくわしくない。それでも柳家喬太郎が人気のある落語家であることぐらいは知っている。その程度だ。柳家喬太郎古典落語五十席について熱く語っているのが『落語こてんコテン』(柳家喬太郎著、筑摩書房、2013年)である。演じる立場で古典落語の魅力が書かれているので楽しく読める。

 『落語こてんコテン』は、『落語こてんパン』(柳家喬太郎著、ポプラ社、2009年)の続編である。ブックデザインはどちらも守先正さん。『落語こてんパン』のジャケットデザインには「きざはし金陵M」が使われていたが、『落語こてんコテン』は「くらもち銘石B」が使われている。

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目次は「くらもち銘石B」だ。数文字の演目とはいえ、4ページにわたって「くらもち銘石B」で占められている。さすがに本文には向いていないと思っていたが、ぴったりな働き場所を与えられて生き生きしているように感じた。思いえがいた通りの使われ方で、適材適所と言っていいだろう。

 

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そして各項の見出しも「くらもち銘石B」だ。

古典落語の本というのもうれしい。「くらもち」も「銘石」も古典書体だからだ。古典書体は、もとの姿のままということはなく、時代の環境や技術に寄り添いながら、受け継いでいくものである。古典落語と似ている気がする。

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