活字書体設計3

[活字書体をつかう]活字書体が実際にどのように使われていくかを見守ります。

5-1 「蛍雪」+「さくらぎ」+「Taurus」

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農林水産省の新聞広告(2008年2月25日、27日、29日付朝刊に掲載)

農林水産省の新聞広告で、株式会社博報堂プロダクツの制作によるものだ。3連作になっており、2008年2月25日、27日、29日の朝刊に掲載された。「海外へ依存する食卓のリスクをおさえ、日本にある食材を見直そう」というキャンペーンである。当時、農林水産省では「食材の未来を描く戦略会議」を開催して、国民の意見を募集していたようだ。

Vol.1「未来の食のために、今、できることがあります。」

Vol.2「和の食材だから日本産、というのはほぼ思い込みです。」

Vol.3「おいしいものは、近くにもあります。」

 このキャッチ・コピーもそうだが、ボディ・コピーにも選ばれたのは「さくらぎ蛍雪M」である。一読者としてみて、ここは明朝体でもゴシック体でもしっくりこない。「さくらぎ蛍雪M」は肉筆に近く、かつ冷静に訴えかけてくる書体だ。強さもある。いい選択だったと思う。

 漢字書体「蛍雪」は中国・清の時代、日本で言えば江戸時代に生まれた書体である。和字書体「さくらぎ」は大正時代の木版教科書の書体である。活字書体として再生したものが、そういった時代性を超えて受け継がれていくというのは心地よい。